この記事は、凱旋門賞2022は不良馬場なのかについて解説します。
凱旋門賞はフランスのパリで行われますが、パリは雨が多い印象がありますね。
セーヌ川を走行する船やきれいな街並みが、雨で濡れている画像をよく見ます。
またヨーロッパ全体の気象傾向として、急な天候の変化も多いようです。
雨が多ければ必然的に不良馬場が多いということになりますが、実際にはどうなのでしょうか?
凱旋門賞2022は不良馬場なのか、また日本馬にとっては不利な環境なのかを徹底調査しました。
凱旋門賞2022は不良馬場?
【🇫🇷#凱旋門賞 】🇩🇪トルカータータッソが記念すべき第100回目の凱旋門賞を制しました。🇯🇵日本馬も武豊騎手も良く頑張りました。 pic.twitter.com/TVTimyz9ud
— Stay Dream (@StayDream21) October 3, 2021
凱旋門賞2022は不良馬場なのでしょうか?
調査の結果、重馬場を含めた不良馬場の確率は50%くらいと推測できます。
逆に言うと良馬場で開催できる確率が、50%もあるということになりますね。
筆者も含め多くの方は、凱旋門賞はいつも道悪と記憶されているのではないでしょうか。
それでは不良馬場(重馬場)の確率を50%と予測した根拠を、天気の傾向によって解説してみたいと思います。
不良馬場(重馬場)になるには雨が降ることが必要ですので、凱旋門賞が行われる10月のパリと東京の雨の状況を比較してみました。
都市名/項目 | 降雨日(日) | 降水量(mm) |
パリ | 8.0 | 44.7 |
東京 | 9.4 | 154.5 |
表のようにパリは、31日の内8.0日しか雨が降らないのです。
それを確率で表すと25%となり、凱旋門賞が雨で開催される可能性は25%と推測できました。
では不良馬場(重馬場)の確率も25%かというと、そんなに単純ではないのです。
ヨーロッパの芝は洋芝で雨が上がっても馬場の回復は遅いと考えられるので、晴れの日でも重馬場で行われることもあるかと思います。
8.0日降る雨が次の日の馬場にも影響すると考えると2倍で16日、つまり約50%が不良馬場(重馬場)であると推測できるのではないでしょうか。
50%が不良馬場(重馬場)になりそうな凱旋門賞2022ですが、日本馬は重馬場が得意ではないのかを検証してみましょう。
日本馬は重馬場が得意ではない?
雨の後の馬場は
走らせたくないけど
ドラマチック#おはよしき #園田競馬 #不良馬場 #うま pic.twitter.com/v1pAiqOKa5— パドミ (@emi20131109) July 7, 2017
日本馬は重馬場が得意ではないのでしょうか?
日本馬はスピード優先で作られているので、多くの馬が重馬場が得意ではないと考えられます。
日本の競馬とヨーロッパの競馬の最も大きな違いは、芝の質だと言われていますね。
ヨーロッパの競馬場は自然のままの芝(洋芝)を使用しているので、深くて脚抜けが良くないのが特徴です。
そのため力のある馬が好走する場合が多く、スピードよりもパワーが重視されます。
一方日本の競馬場はよく手入れされた芝を使用しているため、脚抜けが良くスピードが出ます。
そんなことから日本馬は、パワーよりもスピードを優先して馬が作られていくのです。
芝コースが重馬場になると、脚抜けが悪くなりパワーがいる馬場となります。
スピード重視で育てられた日本の馬たちは、その馬場に戸惑ってしまうことになるのです。
それでは、重馬場で行われた2021年凱旋門賞のクロノジェネシスのレースぶりを振り返ってみましょう!
クロノジェネシスの凱旋門賞挑戦は?
クロノジェネシスの凱旋門賞2021年の挑戦はどのようなものだったのでしょうか?
結果は残念ながら、重馬場に脚を取られ7着に沈みました。
クロノジェネシスは有馬記念、宝塚記念とグランプリレースを3連覇して凱旋門賞に挑んでいます。
日本では重馬場での勝利もあり、十分に戦えると考えられていました。
普段は後方待機から末脚を伸ばして差し切るのですが、このレースは重馬場を考慮して2番手でレースを進めます。
一見いい感じで走っているように見えるのですが、筆者には「なんか違うな」とクロノジェネシスが言っているように感じていました。
どうも動きが重いんです。
それはクロノジェネシスの体調というよりは、馬場状態が原因だと思います。
最後の直線を向いても2番手で頑張っていたクロノジェネシスですが、最後は追い込んできた馬たちに飲み込まれていきました。
あんなに納得のいかない顔で走るクロノジェネシスを、筆者は見たことがありませんでした。
「調子は悪くないのに、なんでスピードが出ないんだろう」そう言っているように思ったのです。
このようにクロノジェネシスの挑戦を見ると、今後日本馬が凱旋門賞で勝つには不良馬場でも平気で走れるパワーが必要だと感じました。
次に凱旋門賞の過去の馬場状態をみてみましょう。
過去の馬場について
凱旋門賞の過去の馬場状態はどうだったのでしょうか?
過去の馬場状態を振り返ってみると、良馬場が50%でした。
調査は2002年から2021年までの20年間で、馬場状態の詳細は以下の通りです。
馬場状態/項目 | 回数(回) | 確率(%) |
良 | 10 | 50 |
稍重 | 2 | 10 |
重 | 7 | 35 |
不良 | 1 | 5 |
10月の雨の確率から推定した場合と一致しますね。
やはり雨が降った後の回復が遅い芝ということが、原因の一つなのだと考えられます。
「凱旋門賞はいつも道悪」という印象は、あながち間違っていなかったのです。
半分が重馬場なんですから、日本陣営は最初から重馬場を想定して馬を仕上げた方がいいですね。
凱旋門賞2022は不良馬場?のまとめ
この記事は凱旋門賞2022は不良馬場なのかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると次のようになります。
- 不良馬場(重馬場)の確率は50%と推測できる
- 10月のパリの降雨日数8日(25%)から推測
- 日本馬は概ね重馬場を不得手としている
- パワーよりスピード重視で作られていることが要因
- 過去の凱旋門賞は良馬場50%、重馬場50%
凱旋門賞のレースを思いだしてみると、最後の直線の攻防は力対力という感じを受けます。
日本の競馬はスピード勝負で「ピューン」なのですが、凱旋門賞は「ズン、ズン、ズン」といった感じです。
日本馬が上位に食い込むために凱旋門賞2022は、ぜひとも良馬場で開催されることを願います。
50%の確率の「運」も味方にして、あっといわせるレースを期待したいです。
出走を予定した日本馬には、ぜひ頑張ってもらいたいですね。
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