この記事は、凱旋門賞参加の馬はどうやって運ぶのかについて解説します。
凱旋門賞はフランスパリのロンシャン競馬場で開催されるので、馬は何らかの方法で海外に輸送しなければなりません。
船なら広い空間でストレスもかからなそうですが、さすがに時間がかかり過ぎるので現実的ではありませんよね。
やはり飛行機で移動ということになると思いますが、体重が500kgもある馬はどのように海外へ運ばれていくのでしょうか?
凱旋門賞参加の馬はどうやってフランスに渡るのか、輸送方法や輸送費についても徹底調査しました。
凱旋門賞参加の馬はどうやって運ぶ?
競走馬の飛行機輸送風景、海外のサイトだとたいてい「Air Horse One」って呼ばれててすき pic.twitter.com/0N11LTOjs1
— 真里谷 (@mariyatsu) August 5, 2021
凱旋門賞参加の馬はどうやって運ぶのでしょうか?
調査の結果、競走馬は馬運車と飛行機を利用して海外へ運ばれることが分かりました。
馬が海外に行く場合、まずは検疫厩舎に入り各種検査やワクチン接種を徹底的に行います。
そしてまるで実際に何かの疫病に罹ったかのような、厳重な対応までしているようですね。
そこまで徹底するのは、日本に居た時点では何も問題なかったと世界にアピールできるからなのですね。
この事は新型コロナウイルスが蔓延する中、自分達を守るとても有効な対策だと思いました。
検疫厩舎では輸出の際が5日、輸入の際が10日間他の馬から隔離されて過ごします。
そして検疫期間が終わると馬運車で空港へ移動するのですが、馬運車は馬にとって快適なようですね。
馬運車が快適な理由
馬運車が快適な理由は何なのでしょうか?
それは馬運車が臆病で怖がりな馬に寄り添う工夫がなされているからです。
一例を挙げると、換気や採光のための窓は必要最小限でしかも馬の目線より上に取り付けられています。
こうすることで走行中高速で流れていく景色に馬が驚き、暴れて怪我をしてしまうことを防げますね。
また運転も十分な配慮がなされ、急発進急停止はもちろんせず、停車の場合は一度軽くブレーキを踏んで馬に止まることの合図を送るそうです。
その後に本ブレーキをかけるので、馬も踏ん張るところが理解できて安全に停車できます。
さらに馬の納まる場所には両サイドと尻尾のところにクッションがあり、振動にも問題ないようです。
高速道路を走っていると「競走馬輸送中」の馬運車をたまに見かけますが、その際筆者はいつもより安全運転になります。
馬の事を第一に考えて運ぶプロフェッショナルの運転を、邪魔をしないように心掛けたいですね。
続いて飛行機の工夫をみていきましょう!
飛行機の工夫
馬を運ぶためにされている飛行機の工夫があるのをご存じでしょうか?
実は飛行機にはストールという専用コンテナを使用することにより、馬が快適に移動できます。
ストールは3頭が乗れるほどのスペースがあり、内部には馬の食料や水が用意されているのでいたせり尽くせりですね。
そのため厩舎の馬房にいるときのように、普段のような慣れ親しんだ感覚で移動できるのです。
人間もそうですが、やはり自宅にいる時が一番くつろげますよね。
移動中であってもそれに近い感覚を作り上げていれば、馬もリラックスできると思います。
次に輸送費はどのくらいかかるのか確認してみましょう。
競走馬の海外への輸送費
日本からフランスまでの輸送費はどのくらいかかるのでしょうか?
調査の結果、はっきりした金額は分かりませんでしたが約1000万円くらいと推測されます。
フランスに行ってくるだけで1000万円ですが、これが高いのか安いのか判断は難しいですね。
JRAでは遠征の補助金があるようですし、それに凱旋門賞に勝てば1着賞金は日本円で約3億7000万円です。
それを考えると1000万円は随分と小さな数字に見えてきますが、出走までの並々ならぬ調整や準備等を考えるとお金では計れないものがあるのだと思います。
日本のホースマンにとって凱旋門賞の勝利は夢であり、日本競馬界全体の悲願であるのですね。
次に輸送中の馬のストレスについて考えてみましょう。
輸送中の馬のストレスは大きい
馬運車やストールといった工夫がある馬の輸送ですが、それでも馬にストレスはかかるのでしょうか?
人間と同じく馬も、長時間の移動にはかなりのストレスがかかるようです。
人間がずっと同じ姿勢で座っていれば、エコノミークラス症候群になる場合がありますよね。
馬だってそれは同じで、ずっと動かなければ腸ねん転や様々な危険があります。
またフライトが20時間を超えるような時は、発熱して肺炎を引き起こすリスクが上がるようです。
馬のためにも、出来る限り短時間のコースを設定することが望ましいですね。
筆者は飛行機の離着陸時の衝撃が大嫌いなのですが、馬はどうしているのか心配です。
そんな輸送中のストレスを軽減する策として、帯同馬が居る場合があるのでそれを説明していきます。
帯同馬によるストレス軽減
馬の輸送中のストレスを軽減させるために帯同馬が居る場合がありますが、それはどのようなものなのでしょうか?
馬は寂しがりでもあるので、孤独のストレスを和らげるために一緒に遠征する馬がいて、それを帯同馬と言います。
そして帯同馬は同じ厩舎の馬が選ばれることが多いため、少なくとも孤独のストレスはなく遠征できます。
当然輸送費は多くかかってしまうのですが、馬が体調を崩すことなく現地に到着することを思えば必要な経費といえるのではないでしょうか。
いつも一緒に生活している馬が居れば、衝撃のある離発着時も少しは落ち着いていられます。
長時間の旅は、やはり気心知れた仲間と一緒の方が楽しいですよね。
凱旋門賞参加の馬はどうやって運ぶかのまとめ
この記事は凱旋門賞参加の馬はどうやって運ぶのかについて解説してきました。
この記事をまとめると次のようになります。
2021年に凱旋門賞に挑戦したクロノジェネシスは、本番9日前の出国という異例の遠征方法となりました。
日本での調整期間をギリギリまで設けたいという陣営の意向がその理由だったようです。
どんな輸送方法がいいのかは、馬の特性にもよるのでしょうね。
旅好きな馬もいるでしょうし、できれば家(厩舎)から一歩も出たくない馬もいるでしょう。
その辺りのことが人間と意思疎通できたなら、凱旋門賞への勝利も近づくような気もします。
いずれにせよどの馬も無事にフランスに行けて、元気に戻ってきてほしいものですね。
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